第52章 高い授業料を払ったと思えばいい

中尾美希は重たい気分のまま自分のオフィスへ戻った。長谷川栞のSNSを何度更新しても、何ひとつ動きがない。

以前、栞がつわりみたいに吐き気を訴えていたのを思い出し、爪が皮膚に食い込みそうになる。

――あのクズ、本当に妊娠してるんじゃないでしょうね!

こんな肝心な時に……。

ダメ。

もうすぐ手に入るはずの中野航平も、中野蓮も、長谷川栞に奪われるなんて絶対に許さない。

中尾美希は目を細め、何かを思いついたように視線を巡らせた。

……

長谷川グループ。

「……くしゅんっ! くしゅんっ!」

長谷川栞が立て続けにくしゃみを二回。風邪でも引いたのかと首を傾げた、その次の瞬間――スマホに...

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